02 Kawasaki GPZ600R

限定解除後に初めて購入したのは4気筒マシン、憧れのGPZシリーズ、それも大ではなく中間排気量のKawasaki GPZ600Rでした。

GPZ600Rカタログ01

いま振り返ると何もかもわかったようなつもりでいて、じつは何もわかっていなかった若かりし頃の話です(などと偉そうに言ってもいまだに勉強中なのですが……)。その頃の自分にとってバイク選択における最優先事項は、性能云々以前に何よりデザイン=外観でした。しかもカッコいいと感じるモデルは'80年代のバイクブームまっただ中とあって星の数ほどありました。その中でも特に好きで好きでたまらなかったのが、"R"がつくひと世代前のGPzシリーズです。GPz400からはじまり750、750turbo、1100に至る一連のシリーズは、当時の自分にとって"最高にカッコいい"かつ"美しい"バイクでした。免許の無い自分にとっては年上の女性にも似た、どこか遠く憧れの存在でした。ちなみに下の写真はGPZ750turboです。

Kawasaki GPZ750 Turbo

もう少し早く大型免許が取れていたら、このGPzシリーズが現役=新車で購入できたなら750、750turbo、1100シリーズのいずれかが欲しかったところです。現実に400以上のマシンを乗れるようになった時にはすでにGPZシリーズは"R"に進化していて映画TOP GUNの影響などもあり750R、900Rが大ブレイク?の兆しをみせ始めていました。

tomcruise1topgungpz900r1985.jpg

いつもの余談ですがこうして2世代のGPZを並べてみると、世代間に残るデザイン上のDNAが非常に良くわかりますね。

周囲のバイク仲間も当然のごとく、自分がGPZ750Rまたは900Rを購入するものと考えていたようです。他の有力候補=カタナオーナーはすでに3人もいたので、天邪鬼な自分にはその選択肢はありませんでした。初期型VT250Fに心酔していたので当時はHONDA党の自覚もあったのですが、欲しいマシンCB1100RやRC30は学生の自分にとっては高嶺の華ならぬ高"値"の華でもありました。一方Kawasaki車、デザイン以外ではGPZ400Rがアルミフレームなのに対し、600Rはスチールフレームなのも個人的な"ツボ"でした。いま思うと少しズルイ考え方かもしれませんが、GPZ400Rと600Rはまず見分けがつかない点もとても気に入っていました。たぶん周囲はまず間違いなく400ccだと思っている訳ですが、実は600ccなのですから……。またこの頃はようやくフルカウルが認可されたばかりでしたから、フルカウルに対する憧れも拭い難いものがありました。さらにVTの細いリアタイヤ(110サイズ)に比較して、GPZ400R、600Rの太いリアタイヤ(と言っても130サイズ)も魅力的でした。

Kawasaki_GPZ600R__sander.jpg

そんな訳でVT250Fの2気筒から4気筒になる事よりも、単純にカッコいいバイクを手に入れる喜びが大きかったです。また峠の"下り"ではなく"上り"でもある程度走れるパワーを手に入れられる事も嬉しかったです。ですが実際にGPZ600Rを手に入れて何が楽になったかと言うと、年に一度の鈴鹿詣で(=鈴鹿8時間耐久レース観戦ツーリング)です。大抵8時間耐久レースの前日、土曜日まで授業があったので講義の終了後すぐに鈴鹿に向けて東京を出発し真夜中にサーキットに到着して野宿で夜を明かし、レース観戦後に直帰する様なスケジュールで平気だったのですから、いま考えると元気と言うよりも呆れます。ともかくそれまでは250だったのが排気量も一気に約2倍強になり、フルカウルまで着いてる訳ですから行き帰りの高速道路は精神的にも楽になりました。例えば同じ100km/hで走っていても気持ちにもマシンにも余裕がありました。もう一つはタンデムが楽になった事でで、これも排気量とトルク、パワーが増えたのでやはり余裕をもってライディング出来る様になりました。同時に自分の嗜好自体が、"走り"から"ツーリング"へとシフトして行ったバイクでもありました。

Kawasaki_GPZ600R_sz8t.jpg

エンジンをかけた瞬間から何故かクランク回りからと感じられるゴリゴリとしたKawasakiの4発独特のあの感じを懐かしく思い出します。その後しばらくたってから購入したZX-9RやZRX1200Rにも共通した感覚です。この600Rのエンジンがどういうトルクフィーリングだったか、いまや記憶もおぼろで確かな事は言えません。ですが、Kawasakiの4発に対して自分が抱いているイメージはあのゴリゴリ感と共に湧き上がるトルク感です。極端に前傾すぎずツーリングを許容してくれるポジションや荷物の積載も割と良かった記憶があります。

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人生初バイクVT250Fはメーターバイザーはついていましたが、ネイキッド仕様にしてました。ですからGPZ600Rになって高速道路でのフルカウルの恩恵=ウィンドプロテクションの高さや、降雨時の濡れにくさには感動しました。その反面カウルの隙間から上がってくる熱風や、エンジンの造型が見えない事、プラグ交換などのちょっとしたメンテナンス時にひと手間かかる事、転倒した時の外装コストなど、フルカウルとネイキッドのメリット、デメリットを比較判断可能な基準が、600Rのおかげで自分の中に出来ました。
友人たちの重たい750や1000ccクラスに比較して軽量だった事で、個人的にはあらゆる局面で750オーバークラスより有利だと感じていました。腕が無いこともあって、パワーもそこそこで十二分以上でした。GPZ600R以降もフルサイズの250では無いDT200R(2LR)LANZA(230)MULTISTRADA620、ZX-9RやBMWF800等、750未満や1000cc未満のある種中途半端な排気量好きになってしまったのも、このモデルを選択した事が根底にあってのことかもしれません。自分のバイク選択の上で核となる、パワーと車重のバランスを考えた嗜好はこの頃から徐々に固まって来たような気がします。

GPZ600Rがいけない訳ではありませんが、せっかくの4発なのに集合管が入れられなかったのが、何より残念な点でした。600の限定台数販売と言う希少性の故、限られたパーツしか販売されていなかったのです。マフラーはどうしてもKERKERを装着したかったのですが、市販されていたのは2本出しのスリップオンでした。ですので自分の望むような集合サウンドを奏でることは出来ませんでした。それがいまでも唯一の心残りです。

1987_Kawasaki_GPZ600R_specs.jpg

Thanks My GPZ600R :-)

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4 Comments

kumpei  

ツルンとしたアッパーカウルから、直線的なラインがテールまで突き抜けるようなスタイル。
今見てもイイと思います。
ZZR400とフレームが似てますね。

2012/05/01 (Tue) 10:10 | REPLY |   

迷走  

まさにkumpeiさんのご指摘の箇所とテールランプが
デザイン上、私がもっとも惹かれたところです。

確かZZRもそうだったと思うのですが、
センタースタンドも装備されレーサーレプリカでは無い
ツーリングスポーツといった成り立ちが好ましいモデルでした。

2012/05/01 (Tue) 18:18 | EDIT | REPLY |   

D2  

GPZ400Rにカーカーメガホン付けてましたが
あまりの爆音で、本当に乗ってて嫌になるレベルでしたw
派出所から警官が出てきたり・・・

600Rは当時憧れでした

2015/03/29 (Sun) 21:08 | EDIT | REPLY |   

迷走  

D2さん、コメントありがとうございます。

おおっ、憧れのKERKER……。
マフラーの種類の多さや、カスタムパーツの豊富さでは
GPZ400Rが羨ましかったものです。
しかしそこまで爆音だったとは……w

当時、夢みていたモデルは永遠に気になるのかもしれませんね。

2015/03/30 (Mon) 21:55 | EDIT | REPLY |   

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